発達障害

発達障害は、生まれつき脳の発達が通常と違っているために、幼児のうちから症状が現れ、認知・言語・情緒・行動などの発達に問題があり、日常生活を送る上で支障がある状態を指します。発達障害は「未熟」と区別がつきにくく、当初は障害と思われていたものが、成長とともに学習が進み、障害でなくなることもあります。

目次をクリックすると、気になる項目に飛ぶことが出来ます。

自閉症スペクトラム障害

これまで、自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー症候群などの名称で呼ばれていましたが、2013年のアメリカ精神医学会の診断基準DSM-5の発表以降、自閉スペクトラム症とまとめて表現するようになりました。自閉症スペクトラム症とは、言葉や視線、表情、身振りなどを用いて相互的にやりとりをしたり、自分の気持ちを伝えたり、相手の気持ちを読み取ったりすることが苦手です。また、興味・事柄に関心が限定され、こだわりが強く、感覚過敏あるいは鈍麻など感覚の問題も認められることもあります。その他には、初めてのことや決まっていたことが変更されることは苦手で、環境になじむのに時間がかかったり、偏食が強かったりするという特徴もあります。

治療や支援

自閉スペクトラム症を治癒する薬はありません。睡眠や行動の問題が著しい場合や、精神的な不調に対して、薬物療法を併用する場合もありますが、現代の医学では自閉スペクトラム症の根本的な原因を治療することはまだ難しいです。そのため、個々の発達ペースに沿った療育・教育的な対応が必要となります。幼児期は、個別や小さな集団での療育を受けることによって、対人スキルの発達を促し、適応力を伸ばすことが期待されます。成人を対象とした対人技能訓練やデイケアなどのリハビリテーションを行う施設もあり、就労支援を含むライフステージを通じたサポートが、生活を安定したものにすると考えられています。

注意欠如・多動性障害(ADHD)

注意欠如・多動性障害(ADHD)は、「不注意」と「多動・衝動性」を主な特徴とする発達障害の一つです。不注意とは、注意が持続しにくい、作業にミスが多いといった特徴が、多動・衝動性とは、発達年齢に比べて、落ち着きがない、待てない、といった特徴があります。子どもの不注意の症状は、整理整頓が苦手、忘れ物が多い、集中できない、気が散りやすい、といったことが多く、多動・衝動性の症状は、順番を待つのが難しい、じっと座っていられない、他人の会話に割り込む、といったことがあります。大人になると、一般的に多動・衝動性の症状が軽減することが多いと言われていますが、感情コントロールが難しいことから、不安や気分の落ち込みなど精神的な不調を伴うことがあります。

治療や支援

ADHDを持つ人の治療は、①環境の調整、②行動療法、③薬物療法などを組み合わせて行うと効果が高いと言われています。

環境の調整

幼児期・学童期には環境を整えて集中して課題に集中しやすいようにする、褒め方を工夫するなどの方法で、増やしたい行動を増やすのが基本です。集中しないといけない時間は短めに、一度にこなさなければいけない量は少なめに設定し、休憩をとるタイミングをあらかじめ決めておく、やらないといけないことはToDoリストに書いたり、簡潔にわかりやすい言葉で伝えたりすることも大切です。

行動療法

望ましい行動ができたときに褒めるなど、好まれるフィードバックを行い、望ましい行動を強化さます。望ましくない行動については、その行動に先行する状況やきっかけが生じない方法や、行動の後の対応への工夫を検討していきます。

薬物療法

環境調整や行動からの取り組みを行っても日常生活における困難が持続する場合には薬物療法を併用します。ADHDの薬は、脳機能の働きを助け、不注意や多動・衝動性を軽減する可能性があります。症状が軽減することで、生活のしづらさを緩和することに繋がります。

学習障害(LD)

全般的な知能発達には問題がないのに、読む、書く、計算する、などの特定の領域で学習の遅れが見られる状態をさし、ぞれぞれ学業成績や日常生活に困難が生じます。

・読み:長文を読むと疲れる、文章を正確に読めない、文章の理解が難しい など

・書く:句読点を書かない、漢字の誤りが多い、早く書けるが雑である、字を書くのに時間がかかる など

・計算する:図形の理解が難しい、計算が苦手、数の大小がわからない など

治療や支援

学習障害の子どもに対しては、教育的な支援が必要になります。読むことが苦手な場合は、大きな文字で書かれた文章を指でなぞりながら読んだり、書くことが困難な場合は、マス目のあるノートやICT機器を活用することも可能です。その人がもつ困難さを正確に把握し、特徴に合わせた、環境や物品を調整することが重要になります。薬物は、集中力や注意力の向上を目的としたもので、根本の解決にはなりません。

より具体的に知りたい方はこちら

厚生労働省 e-ヘルスネット

https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/

厚生労働省 みんなのメンタルヘルス

https://www.mhlw.go.jp/kokoro/index.html