相談

こころの健康や医療、生活や就労など、様々なお悩みを抱えている方は多くいらっしゃいます。各自治体では、お悩みの種類に応じて幅広い相談先があります。

目次をクリックすると、気になる項目に飛ぶことが出来ます。

相談支援事業所

相談支援事業とは、障害者総合支援法で定められているサービスで、障害のある人が地域で生活する上で抱える問題や悩み事などを相談したい時や、どんなサービスが受けられるか知りたい時などに相談支援を受けることができます。相談の種別は以下の大きく3つに分かれています。

  1. 基本相談支援
  2. 計画相談支援
  3. 地域相談支援

そして、基本相談支援と計画相談支援業務を受け持つ「特定相談支援事業者」と、基本相談支援と地域相談支援を受け持つ「一般相談支援事業者」の2種類があります。地域によって運営形態が異なりますので、どこの事業所に行けばいいのか迷った際は、お住いの自治体の福祉窓口に問い合わせてみるといいでしょう。相談支援については自己負担なしで利用できます。

基本相談支援

障害のある人の福祉に関する様々な問題について、当事者やその家族、関係者からの相談に対応し、必要な情報の提供、障害福祉サービスの利用支援などを行うほか、権利擁護のための必要な援助を行います。

計画相談支援

►サービス利用支援

障害福祉サービスなどを利用する障害者について、本人や家族の状態を確認しその人に合うサービス計画を作成します。サービスの申請にかかわる支給決定前に、サービス等利用計画書案を作成し、支給決定後は、サービス事業者等との連絡調整を行います。

►継続サービス利用支援

利用開始になったサービス等の利用状況の評価(モニタリング)を行い、必要に応じて関係機関を集めた担当者会議を開催するほか、支給決定の更新や、見直しなども行います。

地域相談支援

►地域移行支援

障害者支援施設や精神科病院、児童福祉施設、更生保護施設などを利用する18歳以上の人を対象として、施設や病院から地域生活へ移行するために必要な計画書の作成、相談による不安の解消、住居の確保、外出への同行支援、各種手続きや関係機関との連絡調整などを行います。

►地域定着支援

居宅にて単身で生活をしている障害者、または同居している家族などが障害、疾病のため支援が見込めない状況にある障害者を対象に、常時連絡体制を確保しています。適宜居宅へ訪問し当事者の状況を把握し、緊急の事態における相談等の支援や関係機関との連絡調整を行います。

社会福祉協議会

社会福祉協議会は、地域福祉の推進を図ることを目的とした団体で、全国、都道府県、政令指定都市、市区町村それぞれに設置されています。業務内容については、様々な心配事の相談や生活福祉資金(上の項目で説明しているから飛ばせるようにしたい)の貸付けなど地域生活に関わる相談支援を実施しています。また、日常生活自立支援事業としては福祉サービスの利用や金銭管理に課題を抱える人に対する相談援助も行っています。

日常生活自立支援事業

日常生活自立支援事業とは、高齢者や知的障害者、精神障害者など日常生活において判断することに不安がある方に対して、福祉サービスの利用手続きや生活費の管理、重要な書類の預かりなどのサポートを行います。

►対象者

認知症や障害などにより、日常生活上必要なサービスや制度を自分の判断で適切に利用することが難しい方。

►サービス内容
  1. 福祉サービスの利用援助(契約や解約手続き、苦情解決制度の利用、サービスを受けるために必要な行政手続きなど) 
  2. 日常的金銭管理サービス(年金や医療費、税金、社会保険料、日用品などの代金など)
  3. 書類などの預かりサービス(通帳や実印、契約書類、保険証書など)

利用の流れ

お住まいの近くの社会福祉協議会に相談へ行き、生活状況や援助内容の確認とともに、事業の契約について判断できるかの判定がされます。その後、利用用件に該当されると判断された場合は、援助内容や頻度など具体的にした支援計画を策定し、契約が締結されます。

保健所

保健所は、地域住民の健康を支える行政機関で、都道府県や指定都市、中核市などに設置されています。疾病の予防、衛生の向上など住民の健康増進に関わる業務を行います。その中には相談業務もあり、こころの健康、保健、医療、福祉に関することや思春期問題や引きこもり相談、依存症など幅広い相談を行っています。相談は電話や面談というかたちがあり、場合によっては家庭に訪問することもあります。相談には、保健師、医師、精神保健福祉士などの専門職が対応し、本人だけでなく家族からの相談への対応も可能です。

相談内容によっては、医療機関や関係機関への紹介や福祉サービスが必要となった場合は、市町村と連携し、サービスの利用サポートをしてくれます。

精神保健福祉センター

精神保健福祉センターは各都道府県に設置することが定められており、都内には3か所のセンターがあります。こころの健康の保持と向上を目的として相談を受けるとともに、広報紙やイベントなどで広報普及活動も行っています。精神保健福祉相談では、こころの問題や病気を抱えている当事者や家族及び関係者からの相談を受けており、医療についての相談や、社会復帰、アルコール・薬物依存症、引きこもりなど思春期・青年期問題の相談など精神保健福祉全般にわたる相談を行っています。相談対応をする職員はセンターによって異なりますが、医師、看護師、保健師、精神保健福祉士、公認心理士、作業療法士などの専門職が在籍しています。

厚生労働省 みんなのメンタルヘルス 

https://www.mhlw.go.jp/kokoro/index.html

厚生労働省 「障害のある人に対する相談支援について」 

https://www.mhlw.go.jp/bunya/shougaihoken/service/soudan.html

東京都立精神保健福祉センターHP

https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/sitaya/index.html

荘村明彦 『精神保健福祉に関する制度とサービス』 中央法規出版 (2019)